世界で最も貧しい元大統領ホセ・ムヒカから学ぶ【本当の幸せとはなにか】José Alberto Mujica Cordano

皆さんホセ・ムヒカという人物をご存じでしょうか?彼は2010年3月1日から2015年2月末までウルグアイの第40代大統領を務めた人です(バスク系ウルグアイ人 )。 愛称はエル・ペペ。報酬の大部分を財団に寄付し、月1000ドル強で生活していました。その質素な暮らしから「世界で最も貧しい大統領」としても知られています。

私がこのサイトを開設しようとしたキッカケでもあります。「幸せ」をテーマに考え、本当の幸せとはなにかを彼の活動から学びました。まだまだ彼を知らない事ばかりですが、その一部分をご紹介したいとおもいます。

世界で最も貧しい元大統領ホセ・ムヒカから学ぶ【本当の幸せとはなにか】

それは2012年6月、ブラジル「リオデジャネイロ」で行われたリオ+20国連持続可能な開発会議、国連主催の環境会議での発言でした。時代は、人間はどうしたらこれからも地球環境を守っていけるか、持続可能な発展を目的とした会議でした。

各国の代表がスピーチを行う中、小国ウルグアイ代表の演説を注目する人は、当時はほとんど居なかったようです。そしてウルグアイ代表のホセ・ムヒカ大統領(当時)のスピーチの番がやってきました。スピーチは、各国代表と同じような、各国代表への感謝の挨拶から始まりました。

ホセ・ムヒカ大統領のスピーチ内容とは

各国代表への感謝の挨拶より

「この場に出席されている世界各国の代表の皆さん、ありがとうございます。お招きいただいたブラジル国民、そして大統領閣下に感謝いたします。これまでに発言された全ての方々が表明された誠意にも、大いに感謝いたします。いち国家指導者として、貧しい人々のための取り決めづくりに、仲間として共に参加することを表明いたします。」

問題点とは何か

「しかし、私たちにもいくつか声高らかに質問することをお許し願いたい。今日の午後ずっと、私たちは【持続可能な発展】と【膨大な数の貧困者対策】を話し合ってきました。けれど、私たちの本音は何でしょう?今の発展を続けることが、本当に豊かなのでしょうか?質問させてください。」

「もしドイツ人が、ひと家族ごとに持っているほどの車をインド人もまた持つとしたら、この地球はいったいどうなってしまうのでしょう。私たちが呼吸できる酸素は残されるのでしょうか?もっとはっきりいいましょう。」

「例えば最も裕福な西側諸国と同じようなレベルで、70億、80億の人々に消費と浪費が許されるとしたら、それを支えるだけの資源が今の世界にあるのでしょうか?それは可能なのでしょうか?それとも別の議論が必要ですか?」

グローバリズムがもたらすものとは

「今のこの文明をつくったのは私たちです。私たちは市場と競争社会から文明という落とし子を生み出し、物質面での驚異的な進歩をもたらしました。そして、市場経済は市場社会をつくりだし、それを世界規模に拡大してしまいました。いわゆるグローバリズム( 国を超えて地球全体を一共同体としてとらえる考え方・地球主義 )です。

「そのグローバリズムを私たちはコントロールできていますか?逆に、コントロールされてはいないでしょうか?こんな残酷な競争で成り立つ社会で、【みんなで世界を良くしていこう】なんて議論が、本当にできるのでしょうか?」

「私たちは本当に仲間なのですか?私は今回の会議を、否定するために言っているのではありません。違います、逆です。我々が今挑戦しようとする目の前の巨大な困難は、決して環境問題ではなく、明らかに政治の問題なのです。人類は今、消費社会をコントロールできていない。逆に、人類の方がその強力な力に支配されているのです。」

幸せの定義とは

「我々は、発展するためにこの地球上にやってきたのではありません。幸せになるためにやってきたのです。人生は短く、あっという間です。しかしその人生こそが、何より価値あるものなのです。」

「余計なものを買うために、もっともっとと働いて人生をすり減らしているのは、消費が【社会のモーター】となっているからです。なぜなら、消費が止まれば経済がマヒしてしまい、経済がマヒすれば不況というお化けが我々の目の前に姿を現します。」

「しかし今この行き過ぎた消費主義こそが地球を傷つけ、更なる消費を促しています。商品の寿命を縮め、できるだけ多く売ろうとする、今の社会は1000時間もつような電球は作ってはいけないのです。本当は10万時間、20万時間ももつ電球はあるのにそんなものは作らない。なぜなら我々はもっと働き、もっと売るために、【使い捨て文明】を支える悪循環の中にいるからです。これは政治問題です。」

「我々は今までと違う文化のために闘い始めなければならない。石器時代に戻ろうとは言ってません。このままずるずると消費世界に支配されるわけにはいかない、私たちが消費主義をコントロールしなければならないと言っているのです。ですから私は、これが政治問題だと言いました。とても謙虚な思いからです。」

貧しい人とは満足しない人

「かつての賢人たち、エピクロス( 快楽主義などで知られる古代ギリシアのヘレニズム期の哲学者 )やセネカ( ユリウス・クラウディウス朝時代のローマ帝国の政治家、哲学者、詩人)、そしてアイマラ人たちは次のように言っています。」

【貧しい人とは少ししかものを持っていない人ではなく、もっともっとと、いくらあっても満足しない人のことだ】と。大切なのは【考え方】です。だからこそ皆さんと共にこの会議に参加し、国家指導者として皆さんと共に努力したいのです。」

大切なのは考え方

「私の発言は、皆さんを怒らせるかもしれない。しかし気付かなくてはいけません。【水問題】や【環境の危機】が、ことの本質ではないということです。見直すべきは、我々が築いてきた文明の在り方であり、我々の生き方です。なぜそう思うのか?」

「私は環境に恵まれた小さな国の代表です。人口は300万人ほど。いや、もうちょっと320万人ほどしかいません。けれど、世界でもっともおいしい牛が1300万頭、また素晴らしい羊が800万から1000万頭います。食べ物、乳製品、そして肉の輸出国です。国土の90%が有効に使えるほど、豊かな国なのです。だからかつて私の仲間たちは8時間労働のために闘い、ついには6時間労働を勝ち取った人もいます。」

「しかしそうなったら今度は仕事を2つ持つようになりました。なぜか?たくさんの支払いがあるからです。バイクやマイカーのローンを次から次へと支払っているうちに、私のようなリュウマチ持ちの老人になって人生が終わってしまう。そして自分に問いかけるのです、これが私の一生だったのかと。」

発展による数々の障壁

「私が言っているのは基本的なことです。発展は幸せのじゃまをしてはならない。発展は【人類の幸せ】【愛】【子育て】【友達を持つこと】そして、【必要最低限のもので満足する】ためにあるべきものなんです。なぜなら、それらこそが一番大事な宝物なのだから。

「環境のために闘うのなら、一番大切なのは人類の幸せであることを忘れてはなりません。ありがとう。」

まとめ

いかがだったでしょうか?日本人としては、とても胸が締め付けられるような内容だったのではないでしょうか。

私たち日本人は現状に満足することなく、日常にありふれた問題ばかりに目を向け、本当に大切な事を見失っていたりしないでしょうか?本当の問題とは何かを知ろうとしてないのではないでしょうか?

このブログで初めてホセ・ムヒカ元大統領を知った方がいらっしゃれば幸いです。【本当の幸せとはなにか】、このブログを通じて少しでも多くの方に見つけられるようになることを心からお祈りいたします☆

動画詳細あり

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